2010年8月22日日曜日

生物多様性を無視した、北杜市の行き過ぎたクマ補殺を正す

今回の、心無い、行き過ぎたクマの捕殺では、多くの皆さん方が大変驚き、わたしにも電話やメールを頂きました。

また、納得出来ない今回のクマの捕殺を正すためにも、多くの皆さん方が北杜市に直接、電話を掛けて下さいました。
甲府市の坂名井さんは、電話では思いが伝わらないと、直接北杜市役所に出向かれ2時間半以上にも渡りお話をされました。
こうした、みなさんの愛と、勇気ある行動が、北杜市役所の担当者に反省を促せました。
本当にありがとうございました。

共存意識が欠如し、人間本意でおもいやりの無い行為の積み重ねが、今の社会を作り上げてきました。

危険を冒す可能性があるからと言って、クマを始めとする動物達を次々に排除していったら、結果、人間が地球に取って一番危険を侵しているのですから、近い将来わたし達人間が排除されるのは明白です。

そして、それに苦しむのは今を生きるわたし達ではなく、未来を生きる子どもや孫達なのです。わたし達は、単にクマを守る活動をしている訳では無く、子ども達の未来の命を守る活動をしているのです。

しかし、お恥ずかしい話ですが、わたしは、昨年の秋「クマともりとひと」を読むまでは、無知で、クマのことも森のことも、人との繋がりのことも全く知りませんでした。
だから、もし近所にクマが出て、果物の被害があつたら駆除して欲しいと思ったし、可愛い孫が襲われたら困るから、捕殺して欲しいと思ったに違いありません。

みなさん事実を知らないのです。
農家の方も、行政も、当事者ではないみなさんも事実を知り、未来に生きる子ども達のことを、共に真剣に考えていったら、クマや動物を殺さず、みんなが納得できる良い解決方法がきっと見つかると、わたしは信じています。

不必要だから、自分にとって迷惑だから殺してしまうのでは、今、地球上で起こっている、弱い者いじめの戦争と、なんら変わらないのではないでしょうか。

動物より知恵を授かっている人間のわたし達が、力ずくでは無く、どうしたら共存出来るか方法を考えていくべきだと思います。

山梨での解決方法を見い出し行動していけば、日本中で抱えているこの問題が解決されます。

下記は日本熊森協会のHPからの抜粋です。
本部も北杜市役所に電話を入れ、クマの件を正してくれました。

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●2010年8月17日 山梨県北杜市白州町 
 8月16日午前、熊森会員から山梨県支部に、クマの捕獲檻がかけられているとの情報が寄せられました。それを受け、支部が情報収集をおこなっていましたが、17日朝、檻に入ったクマが捕殺されたことが判明しました。以下詳細です。

(北杜市行政のコメント)
 このクマは、山梨県北杜市白州町の養鶏場に入ったクマだ。
7月より再三(4回以上)目撃情報があり、同じ個体。
養鶏場の網を破って入り、エサを食べたりしており、常習性が高いと思われたため、
8月16日に駆除許可を降ろし、ハチミツを入れたドラム缶檻を設置した。
 山梨県ではクマの駆除権限は市町村に下ろされており、北杜市が決定権を持つ。
翌、17日の早朝に、檻にツキノワグマが入っているのを確認した。
その際、
・近隣に適当な放獣場所が無かった。
・もし放獣して、それが事故を起こした場合の行政側の責任問題を懸念した。
朝方、猟友会に依頼して殺処分した。

(くまもり山梨の動き)
 8月17日午後、北杜市産業観光部の担当者へ電話して事実確認後、以下をお願いする。
「山梨県として、出来るだけ放獣するようにとの通達が7月1日に出され、県内の市町村は放獣を相次いで実施している。奥地にえさが無く人里にえさがあれば出てくるのは当然。数度の放獣を行い、命をつなぐチャンスを与えるべきだ。餌になる誘因物の除去や、それができないのであれば、クマが侵入が出来ないような電気柵などの防除策を取ることが、命を奪うことよりも優先されねばならない」

8月19日
 副支部長らが北杜市産業観光部の担当者3名と面会、今後二度とこのようなことが無いよう、お願いする。

(くまもり本部の動き)くまもり山梨の報告を受け、8月19日、北杜市に電話で改善策をアドバイス。
「あまりにも安易な捕殺に驚いた。今後、ぜひ共存方向へと方向転換をお願いします。もうそういう時代になっているのです。注意喚起だけではなく、防除や追い払いも取り入れてください。クマには電気柵が有効です。どれもだめだった時は、最後の方法として、捕獲し奥地放獣をして いただきたい。」

担当者「私もこのような経験が浅くてよく分かっていないこともあった。今回は軽率だったと思っている。今後は、クマを簡単に殺さない対応をとっていくつもりだ。」

●上記のほか、多くの熊森会員が、北杜市担当者に電話して、今後の改善を訴えて下さいました。

(熊森見解)
クマが出没したり、ワナを掛けたりする時は連絡をして欲しいと北杜市にお願いしておいたのですが、連絡する事は出来ませんとの事。今回は、会員からの連絡でわかったのですが、このような事が人知れず行われている可能性もあります。
殺されたツキノワグマは、体長約130cm、体重約100kgの立派なオスだったそうです。
今回は生きるチャンスの放獣も一度も実施せず、万一事故があったら困るという全くの関係者の自己都合による殺処分としか思えません。
このような行政の姿勢が、希少な野生生物を絶滅に追い込む過剰な予防補殺を招きます。

 皆さんの声を届けてください!

  北杜市役所林政課 0551-42-1111(代表)

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