2010年8月16日月曜日

足跡

あしあと


ある夜、わたしは夢を見た。

わたしは、主とともに、渚-なぎさ-を歩いていた。

暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。

どの光景にも、砂の上にふたりのあしあとが残されていた。

一つは、わたしのあしあと、

もう一つは主のあしあとであった。

これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、

わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。

そこには、一つのあしあとしかなかった。

わたしの人生で一番つらく、悲しい時だった。

このことがいつもわたしの心を乱していたので、

わたしはその悩みについて主にお尋ねした。

「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、

あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、

わたしと語り合ってくださると約束されました。

それなのに、わたしの人生の一番つらい時、

ひとりのあしあとしかなかったのです。

一番あなたを必要としたときに、

あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、

わたしにはわかりません」

主は、ささやかれた。

「私の大切な子よ。私は、あなたを愛している。

あなたを決して捨てたりはしない。

ましてや、苦しみや試みの時に。

あしあとが一つだったとき、

私はあなたを背負って歩いていた」

マーガレット・F・.パワーズ


Footprints
One night I dreamed a dream.
I was walking along the beach with my Lord.
Across the dark sky flashed scenes from my life.
For each scene, I noticed two sets of Footprints in the sand.
One belonging to me.
And one to my Lord.
When the last scene of my life shot before me.
I looked back at the footprints in the sand.
There was only one set of footprints.
I realized that this was at the lowest and saddest times of mi life.
This always bothered me
and I questioned the Lord about my dilemma.
“Lord, you told me when I decided to follow you,
You would walk and talk with me all the way.
But I ’m aware that during the most troublesometimes of my life
there is only one set of footprints.
I just don’t understand why, when I needed You most,
You leave me.”
He whispered,
“My precious child,
I love you and will never leave you never, ever, during your trials and testings.
When you saw only one set of footprints
it was then that I carried you.”

幾百万もの人々を感動させた「あしあと」という詩は
長い間、作者不明とされていました。

ところが思いがけないところから作者が判明したのす。

カナダに住むマーガレット・パワーズさんの夫(ポール)が事故で重傷をおい、
集中治療室で寝ていたときに、朝早く看護婦がやってきて夫に尋ねました。

「パワーズさん、あなたと奥さんと娘さんのために、祈らせていただいてよろしいでしょうか」

ポールがうなずきましたので、看護婦は祈りました。

祈り終わったあとに、詩を書いたカードを取り出し、夫の手を握って静かに次の詩を読みました。

看護婦は読み終えると、夫を見つめていいました。

「私はこの詩の作者を知りません。作者不明なのです。」

ポールは弱々しく手を上げて言いました。

「私は知っています。作者を知っています。」

看護婦はクスリのために意識がもうろうとしているのだと思いました。

しかし、ポールはもう一度言いました。

「私は作者をとてもよく知っています。……私の妻です。」と。

この詩は1964年に書かれた詩なのですが、その後、引っ越しのときに間違って配達されて行方不明になってしまった荷物の中に入っていました。

それがい つのまにか誰かの手によって「作者不詳」ということで発表され、有名になってしまいました。

それがこのような形で作者の夫を励ます詩となって作者に戻ってきたわけです。

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