2010年10月8日金曜日

クマの紙芝居・苗木作り 園児が森を学ぶ

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人工林ばかりになってしまった山にドングリなどの好物がなくなった。そこで人里の柿を食べたところワナに捕まってしまったクマの母子。お母さんグマは撃ち殺されてしまう――。甲斐市立竜王中央保育園で7日、そんな紙芝居を通じて森に住む生き物について考えようというお話会があった。同市の公立8保育園はこの秋、こうした取り組みとともに、ドングリが実るクヌギなどの苗木作りを続けていく。(永持裕紀)


 この日は4~5歳の園児約60人が参加。「クマは生態系崩壊の被害者」という立場で活動する日本熊森協会県支部の女性メンバー5人が、紙芝居などを約1時間進めた。


 紙芝居で、メンバーは戦後大規模に植林されたスギ林について「暗くて動物の食べ物がない」とクマの口調で話した。輸入材に押され、手入れされない人工林で進む「森林崩壊」と呼ばれる問題の一端や、自然の森のなかに本来なら様々な生き物が住んでいることを伝えようとした。


 同市の公立保育園はこれから12月にかけて、熊森協会による同様のお話会を続ける。そのほか、公立の全保育園で同時期に、NPO法人・八ケ岳自然村(北杜市)が指導する形でドングリの種まきや、発芽した苗木をポットに移し替える作業をする。


 クヌギなど自然林を知ると同時に「1本の苗木が森をつくり、植物から動物へ続く自然界の食物連鎖も始まる。子どもたちが、苗木の持つ大きな意味を幼い心にとどめてもらえれば」(八ケ岳自然村)という。


 甲斐市子育て支援課によれば、こうした保育園での環境教育は「生命についての興味や関心を育て、豊かな心を培う」ことを狙った、初めての本格的な取り組みという。竜王中央保育園の茅野あや子園長は「未来を生きていく子どもたちが、自然や環境に目を開くいい機会になればと思います」と話している。

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