2010年10月31日日曜日

クマ 「出没」は人間への警告だ

10/29朝日新聞山梨県版掲載

■笛吹の狩人、米山光男さんに聞く


 笛吹市御坂町で桃やプラムを栽培する農家、米山光男さん(63)は狩猟免許を取得して43年になる地元猟友会の重鎮。ツキノワグマも7~8頭仕留めた狩人だが、最近頻発する「出没グマの射殺」を批判的にみる。「クマは減っている」と語り、「いま見直すべきなのは、クマの食べ物をなくしてしまった林業政策」と訴えている。(永持裕紀)

 秋から冬に同町下黒駒で米山さん夫婦が営む料理店に、米山さんが撃ったクマの剥製(はく・せい)が飾られている。仕留めた時体重約130キロだった大物とは20年前の2月、御坂山地の山奥で出会った。最初の1発が当たったのに走って近づいてきた。2発目も命中したが、すぐ足元に。3発目でクマは息絶えた。「勝負をかけた命のやりとり」だった。


 20歳の時免許を取ったのは「勝負」が面白いと思ったからだ。けれど、この大物を仕留めたころから、狩りが面白くなくなってきた。山や森、動物の様子が「おかしい」と思えてきた。


 シカが増えた。クマが減っていることと関連があると米山さんはみた。それはクマの好物のドングリがなくなったからだ。御坂の山も椎(しい)やブナなどの天然林が伐採され、針葉樹の人工林に変わった。最近はクマを見かけないと米山さんは話す。「クマもかわいそうだ」


 米山さんは昨年、氏子を務める檜峰(ひ・みね)神社(同町上黒駒)の100ヘクタール近い自然林が県の指導で伐採されたのを機に、知事と環境相あてに「林業政策の見直し」を訴える手紙を書いた。「野生動物や貴重な植物を絶やし、自然界の生態を狂わして、私たち人類まで絶やしてしまうつもりですか」と記した。


 「クマの出没」は、自然が何か大切なことを人間に伝えようとしている警告と米山さんは考える。「出没は今年ドングリが不作だからじゃない、日本中どこもドングリがなくなっているからだ」。クマ絶滅は自然のバランスを崩してしまうと、猟友会員のまま、クマと森の保護を訴える日本熊森協会に入会した。


 人間や作物に危害を加える出没グマはすぐ殺せという声もある。森の変容を見続けてきた米山さんは話す。「元々の原因が何なのか、じっくり見直すべきチャンスです

2010年10月26日火曜日

10/31(日)懇親会・DVD勉強会・定例会のご案内

◎10/31(日)15:00~21:00懇親会・DVD勉強会・定例会です
  (山梨県青少年センターリバース和戸館)
 
  ・15:00懇親会  
  ・18:00DVD勉強会  
  ・19:00定例会

  *熊森の活動に興味がある方なら、会員でなくても、どなたでも、どこからでも参加も中座も自由に出来ます。
  懇親会では、交流を深めみんなで意見を出し合いましょう。

  *DVD勉強会は、兵庫県の観光リンゴ園の幸福さんが、実際クマの被害に遭いながらも、共生への道を実践された貴重なお話しです。

是非みなさん御都合の良い時間帯にお越し下さい。

【重要】11/15から例年通りなら、狩猟が解禁になる予定です。
・今年の捕獲数は、24頭、補殺15頭、放獣9頭です。(現在把握している数字)
・昨年の捕獲数は、21頭、補殺20頭、放獣1頭です。

例年なら1頭しか放獣がなかったのに、今年、9頭の放獣に繋がったのは、皆さんのご協力のお陰様です。

支部長になった時、1頭たりとも殺さないと思いましたが、情報が入らない中で、救うことの出来なかったクマの命を、大変残念に思い悔やまれます。
しかし、これからも、1頭でも多く救いたいと努力していきますので、みなさま今後とも宜しくお願い致します。

28日に副支部長と、みどり自然課に狩猟解禁の件で相談にいきますが、このまま狩猟が始まったら大変なことのなります。

31日は、狩猟解禁の対策を皆様と考えたいと思いますので、多くのご参加をお待ちしています。

10/25富士川町のクマの目撃情報 その他

今朝、会員さんから、富士川町のクマの目撃情報のお知らせを頂きました。

今朝の農林振興課の方のお話では
「先日から目撃が相次ぎ、猟友会さんにパトロールを依頼。今後の様子で罠の設置を検討。」

午後から、地元の皆さんと役場に行き、捕獲した際の『放獣』をお願いしに行きました。

役場でお話を伺い現場を数カ所を案内して貰いました。
今後の様子で罠の設置をし捕獲放獣の意向です。

現場近くは小学校があり、訪問した所、教頭先生は理解ある方で、以前から児童は鈴を鞄に付けクマとの遭遇を避けていました。

現場には柿の木が4~5本あり、柿がクマを誘因したと思われます。

柿の実の撤去を役場に依頼しました。
学校側からも、子どもの危険を回避する為、至急、柿の実の撤去を役場にお願いするとの事です。

餌が無いと分るとクマは来なくなります。

また、小学校での熊森環境教育を今後検討して下さるそうです。

近くのドライブインにもリーフレットを置いて頂きました。理解者が増えますように!

クマの目撃情報の事で、今日、富士川町役場に、地元の方が3名も行ってくれて良かったです。

農業従事者のKさん、小学生を持つお母さんの、KさんとYさん。

「農作物の被害が出たら困るから殺して欲しい」「子供達に何かあったら怖いから殺して」
と言う立場の人達が
「殺さないで下さい」との声は、役場の方も無視する訳にはいかない筈です。
又、地元の方は役場の方と顔なじみなのも、大きな力になります。

本当にみなさん、お忙しい所を、急遽、役場に出向いて下さりありがとうございました。

明日は、Yさんに、その後のクマの情況や、柿の実の撤去の事を、役場にお聴きして貰います。

誰も取る人がいないなら、私達が柿取りに行く予定です。

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●10/20の河口湖勝山に柿を食べにきたクマさんは、今朝、役場に確認したところ「20日以降は目撃情報も全くありません。」との事です。山に無事に帰った様です
(^(エ)^)/

☆明日27(水)は甲斐市の竜王南保育園で「クマさんと森のお話会」です。
子ども達の笑顔に会えるのがとっても楽しみです!

2010年10月23日土曜日

●森は大きな水のかたまり~生命の森のお話会 IN ぴゅあ峡南~

と  き:10月24日 (日) 午後2時~4時

と こ ろ:山梨県立男女共同参画推進センター ぴゅあ峡南

南巨摩郡南部町内船9353-2 
TEL0556ー64ー4777

参 加 費:無 料 (どなたでも参加できます)

主   催:『虹の天使』 森の大切さを知り復元・保全を考え活動する仲間たち

お問い合せ:『虹の天使』 [井上] 0556-22-2650

内  容

☆ 日本熊森協会とは
日本熊森協会山梨県支部長のお話

☆ 人形劇
今、森の復元・保全がなぜ必要か・・・。
子供にもわかり易い内容です。

☆ 皮むき間伐 『きらめ樹』とは・・・。
誰でも楽しく出来る皮むき間伐?

☆ タスマニア原生林 DVD上映
日本人と世界の原生林との関係がある?

☆ 情報交換会 人と人のつながりが大切です☆

2010年10月22日金曜日

河口湖のクマの件の報告(10/21)

今日は三人でクマの件で行動しました。

富士河口湖町役場-富士吉田市役所ー富士ビューホテルー勝山小学校ー勝山中学校ークマ目撃情報の現場付近をパトロールー御坂町のYさん

チョットハードに動きましたが、心配しているよりも、訪問してみなさんとお話出来て本当に良かったです。

●河口湖町役場
「今日午前中も猟友会にパトロールして貰いますが、クマが見つかっても、捕獲放獣をします。ただ目撃情報も無いので、たぶん、山に戻ったと思います。」と言う事でした。

●富士吉田市役所
「7月の富士急ハイランドの捕獲放獣以降は落ち着いています。
ただ、放獣後に、“てめェ~、なんで放獣したんだ。山菜取りに行って、襲われたらどうしてくれるんだ!”と、自分の事しか考えられない人からの電話があり、『クマが元々生息していた場所に戻してあげただけです。山菜取りに行く時は、クマの生息地に人間が入り込むのですから、こちらが気をつけないといけないんですよ。』と、お話しました。」と聴き、大変だなぁと思いました。

わたしが、今まで市町村を訪問した時に、『クマが出ると殺して』『クマの放獣をすると、共生など考えられない住民からの抗議の電話が掛ってくる』と必ずお聴きします。

沢山の人が日本熊森協会を知り、事実を知る事が大切です。
『殺さないで下さい』『放獣有難うございます』の多くの声が、クマの保護に繋がります。
どうかみなさん、今、クマの話題が頻繁なこの時期に、日本熊森協会の事をお伝えしてゆきましょう。

●富士ビューホテル
支配人とお話しました。ホテル入口の看板付近の道を東から西に横切ったそうです。
「自然の中にたたずむホテルですから、クマが万が一ホテル敷地内に入って来ても、殺さず、捕獲放獣をして貰います。」と仰ってました。
皆さん、河口湖にお泊りの際は、クマに優しい富士ビューホテルへ!

●勝山小学校
教頭先生とお話しました。
富士ビューホテルが直ぐ近くです。
「登下校等は教員が付き添い、気を付けています。クマは今年ドンドン殺されているけれど、歌にも、お話にも、沢山出て来るし、ぬいぐるみもあるし、優しい動物で表現されているのに、何かおかしいね、とみんなで話をしてたんです。」
クマともりとひとをお渡ししました。日本熊森協会の子ども向けリーフレット全校生徒に配布して貰うよう、後日お届けします。

●勝山中学校
教頭先生とお話しました。
小学校のお隣です。
クマともりとひとをお渡ししました。日本熊森協会の子ども向けリーフレット全校生徒に配布して貰うよう、後日お届けします。

●目撃情報付近パトロール
住宅地で、皆さん庭や近くに柿の木が必ずあり、柿だらけでした。
収穫されない柿の実は、順に下に落ち腐敗していました。
これは、クマがついつい来たくなってしまうなぁと思いました。

●猟友会Yさん

「人工林ばかりの山を早急に何とかして、クマの餌の木の実が成るようにしないと、このままでは絶滅してしまう。餌が無いと生きていけないだよ。クマが増えたなんて言う人は山を知らない人。奥に棲めなくなって下りて来ただけ。」
と、いつもながら力強い言葉。

今後はクマの保護、環境教育をしながら、山梨県の奥山を調査し復元していきたいと思います。
山梨県の場合、殆ど県有林と伺いました。この件に詳しい方がいらっしゃいましたら、ご協力頂けると嬉しいです。

●河口湖町のクマ目撃情報について(10/20)

●河口湖町のクマ目撃情報について

御存じの方もいらっしゃると思いますが、河口湖町の熊森会員さんから目撃情報を寄せて頂き役場に確認して頂きました。

下記の通りです。

富士河口湖町に熊が出現しました。

場所は富士ビューホテルの南西100メートルほどの場所。
2回に渡って目撃されたそうです。

防災無線の放送と、12時、夕方のNHKの山梨版のニュースで、
富士河口湖町の勝山地区に熊が出現して、ある農家の家のガラスが
割られたり、柿が取られたということが、報道されました。

けが人はいません。
明日も朝から捜索するそうです。

確認したところ、河口湖役場では、殺さず「捕獲放獣」と言う方針です。

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私も、夜、この件で確認が取れました。

目撃された場所は、柿の木で、収穫されない実が下に落ちている状況で、腐敗臭で誘引された模様です。
沢山の柿の木がありすぎて、撤去出来ないと言ってました。
また、アルミ戸とガラスを割った件は、犬に吠えられ、クマが犬を威嚇するような行動を取ったようで、家屋に浸入する為ではないそうです。

また場所的に「捕獲するのは難しいので捕まらないと思います。」との事です。

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山梨県支部としては、お会いしてお話する事が、一番の解決策になると思いますので、明日の朝、富士河口湖町役場と、お隣の富士吉田市役所を訪問して、情況をお聴きし「捕獲放獣」を再度お願いして来ます。
目撃現場にも行ってきます。

その後、御坂のYさんのお話を伺う予定です。

2010年10月21日木曜日

クマ:富士河口湖の路上に 民家のガラス割る? /山梨

 20日午前8時半ごろ、富士河口湖町勝山で、住民から「路上にクマがいる」と119番通報があった。富士吉田署員らが捜索していたところ、近くの民家の居間の窓ガラス1枚が割れていた。1人で家で寝ていた女性(80)が、窓ガラスをたたく音がしたため見に行ったところ、割れていたという。

 富士吉田署や同町などは、民家前にクマの足跡があったことから、住民らに警戒を呼び掛け始めた。現場は、河口湖畔の「富士ビューホテル」南西約300メートルの住宅地。

 現場を調査した県環境科学研究所の吉田洋研究員は「近くの柿の木にクマのつめ跡を発見した。柿を食べたクマが民家に行き、飼い犬にほえられて驚き、窓ガラスにぶつかったのだろう。今年は山にエサがやや少なく、未収穫の柿の木が多い所はクマにとってレストランだ」と話した。

 自転車で通りかかった無職の小林忠頼さん(75)は「この辺は近くの山から約1キロも離れ、クマが出た話は聞いたことがない」と話していた。【福沢光一】

▼毎日JPより

2010年10月14日木曜日

10/16クマと森とヒトのお話会~動物達が安心して帰れる森を守ろう~

イベントの御案内です。
多くのみなさまの御参加をお待ちしています。
是非お越し下さい。

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●クマと森とヒトのお話会
~動物達が安心して帰れる森を守ろう~

名古屋でCOP10(生物多様性条約第10回締約会議)が開かれる10月。
すべての生きものはつながりあい、私たちは生物多様性の恵みによって生きています。
たとえば、クマを守ることは自然を守ること、未来の子どもたちを守ることにつながっています。
ひとまず、人間であることを横に置き、生きものの目線で、この世界を見回してみませんか?

★日時:10月16日(土)19:00 OPEN 19:30 START
★参加費:500円(ワンドリンク付)
★場所:バールスロー 甲府市丸の内1-19-21
★定員:30名(先着順)
★問合せ/申込:055-226-8625(月曜定休)バールスロー
        090-8348-4067(岡)

2010年10月8日金曜日

クマの紙芝居・苗木作り 園児が森を学ぶ

朝日新聞 asahi.com> マイタウン> 山梨>
http://mytown.asahi.com/yamanashi/news.php?k_id=20000001010080002

人工林ばかりになってしまった山にドングリなどの好物がなくなった。そこで人里の柿を食べたところワナに捕まってしまったクマの母子。お母さんグマは撃ち殺されてしまう――。甲斐市立竜王中央保育園で7日、そんな紙芝居を通じて森に住む生き物について考えようというお話会があった。同市の公立8保育園はこの秋、こうした取り組みとともに、ドングリが実るクヌギなどの苗木作りを続けていく。(永持裕紀)


 この日は4~5歳の園児約60人が参加。「クマは生態系崩壊の被害者」という立場で活動する日本熊森協会県支部の女性メンバー5人が、紙芝居などを約1時間進めた。


 紙芝居で、メンバーは戦後大規模に植林されたスギ林について「暗くて動物の食べ物がない」とクマの口調で話した。輸入材に押され、手入れされない人工林で進む「森林崩壊」と呼ばれる問題の一端や、自然の森のなかに本来なら様々な生き物が住んでいることを伝えようとした。


 同市の公立保育園はこれから12月にかけて、熊森協会による同様のお話会を続ける。そのほか、公立の全保育園で同時期に、NPO法人・八ケ岳自然村(北杜市)が指導する形でドングリの種まきや、発芽した苗木をポットに移し替える作業をする。


 クヌギなど自然林を知ると同時に「1本の苗木が森をつくり、植物から動物へ続く自然界の食物連鎖も始まる。子どもたちが、苗木の持つ大きな意味を幼い心にとどめてもらえれば」(八ケ岳自然村)という。


 甲斐市子育て支援課によれば、こうした保育園での環境教育は「生命についての興味や関心を育て、豊かな心を培う」ことを狙った、初めての本格的な取り組みという。竜王中央保育園の茅野あや子園長は「未来を生きていく子どもたちが、自然や環境に目を開くいい機会になればと思います」と話している。

「保育園で紙芝居( ドングリの森を守って)を使い“クマと森のお話会”を開催」 本日の朝日新聞に記事掲載

山梨県甲斐市立の保育園の8カ所に、紙芝居(ドングリの森を守って)を使い「クマと森のお話会」を12月まで開催することになり、昨日10月7日(木)は竜王中央保育園に行ってきました。

日本の森にはどんな生きものが棲んでいるかな?の質問に・・・
「ハ~イ!サル。」「ハ~イ!キリン。」「ハ~イ!クマ。」
と、元気に目をキラキラさせて答えてくれました。(笑)

また、紙芝居になると、シーンと真剣に聞き入っていました。

最後にはみんな、「クマさん達動物がかわいそう。助けてあげたい。」
と、優しい子ども達ばかりです。

子ども達の願いを実現するために、これからもがんばっていこうと思いました!

このお話会の模様を、朝日新聞社さんが取材にきてくれて、本日の8日の山梨県版に記事が掲載されますので是非ご覧下さい。

記者さんが「子供たちが紙芝居やお話にじっと聞き入っていた様子には、少し感動しました。」と仰ってましたが、とても温かい良い記事になっています。

また、記事をご覧頂くと分かりますが、甲斐市の公立保育園は、これからドングリの苗木を育てていきます。
熊森のお話会により、その活動に意味が見いだせ、繋がっていくことはとても素晴らしいと感じました。

1.10月7日(木)  竜王中央保育園
2.10月15日(金) 双葉西保育園
3.10月18日(月)  竜王西保育園
4.10月19日(火)  竜王北保育園
5.10月22日(金)  竜王東保育園
6.10月27日(水)  竜王南保育園        
7.11月15日(月)  松島保育園 
8.12月17日(金)  敷島保育園

以上です。