2010年6月17日木曜日

都留市へ出向き状況を把握&嘆願書提出

クマに襲われ重傷を負われた佐藤武夫様は、心身共に深く傷つかれた事と思います。
ご本人またご家族の皆様には心よりお見舞い申し上げます。

本日(6/16)都留市役所に出向き、産業観光課の奈良課長、清水副主幹、担当の小林さんの三人と面談してきました。
都留市長はあいにく会議中だった為、嘆願書は奈良課長にお渡ししました。

奈良課長のお話を伺ったところによると、市役所も猟友会もクマを捕まえ補殺したい訳ではないそうです。

只、不幸にして起きてしまった事故で、住民からの声が強く何もしない訳にもいかず、また、同じような事故が起きない為にどうしたらいいかを十分話し合いをした結果、クマ一頭の有害駆除を許可して貰い、山と人里の境界になる山裾を、猟友会と消防団でパトロールしたり、山に仕掛けてある猪の罠を見て回りながら、クマの様子を見て回っているそうです。

それに寄って“クマが人間の気配を感じて奥山に戻ってくれたら”と言う思いからだそうです。

お話を伺った後、担当の小林さんに、事故の現場を案内して貰いました。



事故現場は登山道の入り口で、少し下ると人家や保育園があり、保育園に通わせる親御さんの気持ちを考えると、クマの生態を知ら無い人にとっては、すぐ近くでクマの事故は怖いかも知れません。

<写真は、事故現場と、ガードレールの下に落ちていた佐藤さんのタバコとガーゼ>



事故に遭われた佐藤さんは、来週には都留市の病院に戻られるようで、まだ当時の状況は詳しく伺えていないそうですが、小林さんは、何故クマが佐藤さんを襲ったのか疑問点があるそうです。

登山道途中に車を止め、車から降りガードレールを乗り越え林の中に入ろうとした時にクマに襲われたようです。(車が来てクマは何故逃げなかったのか?等々・・・)
佐藤さんがお元気になられたら、詳しく状況が分かると思いますので、また皆さんにお話出来るかと思います。

「兎に角、今回のパトロールなどで、クマが奥山に戻って行ってくれたことを願うだけです。」と、小林さんは言ってました。



小林さんが、今回のことに限らずご苦労されているのは、住民の皆さんが、地域に棲む動物達のことを理解されず、一方的に自分達が被害者であったり、動物は汚いものだとか、人間と動物の間にとても分離感があるそうです。

小林さんは、山形県出身で、都留文科大学に来ていたご縁で、現在、市役所に勤務されています。小林さんが作られた「クマ対策の手引き」を拝見したり、色々なお話を伺いましたが、クマや他の動物のことを良く理解され、動物達に対する畏敬の念を持っているのを感じられました。

都留市役所や猟友会は熊森協会と同じ感覚です。しかし、地元の人達が怖がり、補殺して欲しい要求が強いようです。
クマの生態や熊の棲む奥山の大切さを、地元住民の人達が理解していない事が一番の問題だと感じました。

日本熊森協会を多くの方に知って頂き、クマと森と人の繋がりを理解して貰うことが、クマの絶滅を止めることに繋がってゆます。

会員の皆さま、今まで以上に、日本熊森協会をお伝えして頂きますよう宜しくお願い致します。

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